矯正歯科とは?
矯正歯科は、出っ歯や受け口、すきっ歯、乱ぐい歯、八重歯など、問題のある歯並びや噛み合わせを改善して、口元を整えるとともに歯の機能を取り戻すことを目的としています。
歯並びが乱れていると、発音が不明瞭になることでコミュニケーションに支障をきたしたり、歯ブラシがすみずみまで届かないために虫歯や歯周病のリスクが上がったりします。
矯正治療で歯並びや噛み合わせを整えることで、発音が明瞭になると同時に、きれいな口腔内を保ちやすくなります。
大人の矯正
表側矯正
世界で最も多く行われている矯正方法です。金属のブラケットを歯に取り付けて、そこにワイヤーを通します。矯正装置は目立ちますが、ほとんどの症例に適用できます。
当院では、ホワイトワイヤーやピーチゴールドのワイヤーなど、目立ちにく表側矯正を行えます。
舌側矯正(リンガル)
舌側矯正(リンガル)は、歯の裏側に矯正装置を取り付けて歯を動かす矯正治療です。矯正装置が外側から見えないため、表側矯正と比べて口元が気になりません。
また、矯正していることが周りの人にバレにくいこともメリットです。 ただし、舌に矯正装置が常に触れるため、発音に支障をきたす場合があります。また、表側矯正と比べて、適用できる症例が少ないため、必ず選べるとは限りません。
マウスピース矯正(インビザライン)
マウスピース矯正(インビザライン)は、透明のマウスピースを装着して歯を動かす矯正治療です。数週間から1ヶ月ごとにマウスピースを交換して、歯を理想的な位置へ動かします。
食事の際には取り外せるため、食べかすで汚れる心配がありません。また、歯磨きのときにも取り外せるため、歯をすみずみまで磨けることで虫歯や歯周病のリスクを低減できます。
マウスピース矯正はメリットが多い矯正治療ですが、1日20時間は装着が必要なため、自己管理が欠かせません。装着時間が足りない場合、矯正期間が長くなる可能性があります。
Pick Up!目立たない矯正、インビザライン
インビザラインは、世界80ヵ国以上で400万人以上もの方に適用されているアメリカ発の矯正治療です。専用のソフトで解析した3D画像をもとに、理想的な歯並びをシミュレーションして、複数のマウスピースを作製します。
マウスピースを1~2週間ごとに交換して、段階的に歯を動かします。使用するマウスピースは透明のため、表側矯正と比べて目立ちません。
また、ワイヤー矯正は口の中を損傷しやすい傾向がありますが、マウスピースには金属を使用しませんので、そのような心配が少なくなっています。
子供の矯正
バイオネーター
バイオネーターは、下顎が前方向に成長するように促したり、歯列を広げたりできる装置です。装置を装着することで、下顎が前方に出た噛み合わせになり、下顎の成長を促せます。
また、乳歯と永久歯が混在している時期に熾烈を拡大することで、永久歯が生えてくるスペースを確保します。歯列を拡大することで、永久歯を抜かずに矯正治療ができるようになる可能性があります。
リンガルアーチ
リンガルアーチは、小臼歯を抜いて前歯を引っ込める際に固定源として使用することで、奥歯が前に移動するのを防ぐ装置です。
リンガルアーチの他にも固定源とするものがあり、下記の順で固定力が高くなります。
- 矯正用インプラント
- ヘッドギア
- ホールディングアーチ
- リンガルアーチ
- パラタルバー
ムーシールド
ムーンシールドは、舌や口の周りの筋肉が正しく動くように促したり位置づけをしたりして、受け口の改善を促す装置です。
受け口の状態が続くと、上顎の骨の成長が妨げられて、噛み合わせが悪くなります。そのため、受け口に気づいた段階で、できる限り早く治療を始めることが大切です。
装着中の違和感が少なく、簡単に装着できるため、お子さまに大きな負担がかかりません。
緩徐拡大装置(SPE)
緩徐拡大装置(SPE)は、歯列の幅を広げる装置です。急速拡大装置と比べて弱い力で歯を少しずつ傾斜させます。
金属製のバンドで臼歯に固定して、口の天井に位置する太いワイヤーによって歯列に弱い力がかかって歯列が広がります。ワイヤーには、クワドヘリックスとバイヘリックスの2種類があり、いずれも自分では取り外せません。
セパレーター
セパレーターは、バンド装着のときに歯と歯の間にわずかなすき間を作る器具です。
青いゴムや銀色のワイヤー、真鍮で作られたものがあります。
小児矯正のメリット
大人はもちろんのこと、子供も歯並びの問題に対してコンプレックスを抱える場合があります。不正歯列がコンプレックスになる前に矯正治療が完了できれば、心の健康に繋がります。お子さまの歯並びや発音などが気になる親御さまは、お早めにご相談ください。
小児矯正は、大人の矯正と比べて多くのメリットがあります。
1: 骨格のバランスを調整できる
小児矯正では、顎の成長をコントロールすることで、顎の幅や前後のバランスを調整できます。
永久歯が生えるスペースを確保できれば、重度の不正歯列を予防できるため、大人になってからの矯正治療の負担が軽減されます。
2:治療の難易度が比較的低い
子どもは大人と比べて歯が早く動くため、抜歯せずに矯正できることが多い傾向にあります。
また、矯正治療のリスクとなる歯肉退縮や歯根吸収なども起こりにくいため、予期せぬトラブルが起きて後悔する心配がほとんどありません。
さらに、永久歯列にはワイヤーを使用する必要がありますが、小児矯正では不要です。
3:手術せずに矯正できることが多い
出っ歯や受け口の原因の多くは骨格の問題です。そのため、改善するには外科手術が必要になる可能性があります。
成長期は骨格を調整しやすいため、子どもの頃から治療を始めることで手術せずに改善できる可能性が高まります。
小児矯正治療の流れ
第一期治療(小児矯正治療)6〜11歳頃
顎の骨の成長をコントロールしたり、歯並びを乱すクセの改善を目指したりします。
そのほか、前歯の歯並びの改善なども行います。
第二期矯正治療(成人矯正治療) 12歳頃
永久歯に矯正装置を取り付けて歯並びを調整します。顎のズレを修正できた場合は、歯を抜かずに治療を行い、保定期間を経て矯正治療は完了です。
顎のズレが残っている場合は、抜歯を併用した矯正治療を行います。