予防治療とは
予防治療の目的は、お口の健康を守り、美しい歯を維持することです。
子供のころから予防に努めることで、虫歯が1本もない状態を作れます。大人の場合でも、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療を心がけることで、生涯にわたりご自身の歯で食事ができるようになります。
しかし、毎日歯磨きをしても、虫歯を引き起こすバイオフィルムや歯の着色汚れを完全に落とすことはできません。定期的に歯科医院で歯のクリーニングやブラッシング指導を受けて、セルフケアとプロフェッショナルケアの2本の柱でケアを続けることが大切です。
歯を残すための定期検診
日本人にとって歯科医院は、「歯が痛いときにだけ行くところ」ですが、欧米の予防治療先進国では「自分の大切な歯を守るために行くところ」という考え方が一般的です。
そのため、80歳時点での平均残存歯数に大きな差が生じています。天然の歯は、一度失うと二度と元に戻らないため、今日から予防の意識をもって、定期健診を受けていただくことをおすすめします。
ご自身の歯を守っていただくことで、生涯にわたり食事やコミュニケーションを楽しめるようになります。
予防治療メニュー
歯のクリーニング
歯のクリーニングとは、歯の表面や歯周ポケット(歯と歯茎のすき間の溝)に付着した歯垢や歯石を除去する処置です。
また、歯についたタバコのヤニや飲食物の着色を専門の器具で取り除き、磨き上げます。
クリーニングの効果
歯と歯周ポケットをきれいにできるため、虫歯や歯周病のリスクが低下します。
ただし、歯のクリーニングの効果は一時的なものですので、どれだけ清掃状態がよくても3~6ヶ月に1回の頻度で継続的に受けていただくことが大切です。
PMTC
歯のクリーニングで落とせない汚れには、PMTCを適用します。国家資格を持つ歯科衛生士が専用の機械で歯の汚れを取り除きます。
歯磨きでは落としきれないバイオフィルムは、時間が経つと歯石に変化するため、PMTCで定期的に落とすことが大切です。また、PMTCは歯のクリーニングよりも強力に歯の着色汚れを除去できます。
超微細なウォータースプレーとエアフローパウダーを歯に吹き付けて、歯垢や着色汚れを素早く除去します。
PMTCの効果
バイオフィルムは細菌の集合体ですので、PMTCで取り除くことで虫歯や歯周病のリスクを低減できます。バイオフィルムは歯に強力に接着しているため、歯ブラシでは落とせません。
PMTCでバイオフィルムを取り除くことで、歯垢が歯に付着しにくくなるため、虫歯や歯周病から歯を守りやすくなります。
PMTCの流れ
- 磨き残したところがわかるように染め出しを行う
- スケーラーで歯石を取り除く
- 研磨ペーストを歯の表面に塗る
- 染まっているところが残らないように丁寧に磨き上げる
- シリコン、プラスチックチップで歯と歯の間を清掃、研磨する
- 歯の表面にフッ素を塗る
フッ素塗布
フッ素は、歯質を強化して虫歯リスクを低減する成分です。フッ素を歯の表面に塗る処置を年3~4回受けていただくことで、虫歯になりにくい歯を維持できます。
当院では、安全量のフッ素を使用しますので、お身体に悪影響が及ぶ心配もございません。大人の方はもちろん、お子様の歯を虫歯から守りたい親御様もお気軽にご相談ください。
また、ご自宅でお使いいただく歯磨き剤もフッ素入りのものを選ぶことをおすすめします。セルフケアと歯科医院でのフッ素塗布の2本の柱でケアを続けることで、歯を守れる可能性が高まります。