オリオン歯科 アトラスブランズタワー三河島クリニックです。

本日は「根管治療を通して天然の歯を残すことの利点」について解説いたします。天然の歯を残すことは、歯科治療において大きな意義があり、口腔の健康にさまざまなメリットをもたらします。

根管治療による天然歯の保存の利点

現代の歯科治療では、可能な限り「天然の歯を残すこと」が重視されています。歯が天然の状態で残っていることは、単に「見た目が自然」というだけでなく、噛む力のバランスや周囲の歯への影響を最小限に抑えるためにも非常に重要です。以下、天然歯を残すことの具体的な利点を見ていきましょう。

1. 自分の歯を維持できる

天然の歯を残せることは、大きなメリットです。人間の歯は一度失われると、自然には元に戻りません。根管治療を行うことで、神経がダメージを受けている歯も、天然の歯として残せる可能性があります。自分の歯を維持することは、日常生活での噛み心地や快適さを保つためにも重要であり、長期的に見てもメリットが大きいです。

2. インプラントなどの「歯を失った際の治療」を先延ばしにできる

根管治療により天然の歯を残すことで、インプラントやブリッジといった補綴治療（歯を補う治療）を先延ばしにできる場合があります。インプラント治療は優れた方法ではありますが、あくまで「失った歯を補う最終手段」とされるため、できる限り自分の歯を維持することが推奨されます。

ただし、インプラントの予後（治療後の経過）には、患者さんの口腔環境や生活習慣、健康状態が大きく影響を及ぼします。そのため、インプラントを選択するかどうかは、慎重に検討する必要があります。

インプラント治療を選択する際に考慮すべき点

インプラント治療の成功率は高く、一般的に5年生存率は97％以上とされています。しかし、長期間の予後には個人差があり、口内環境や全身の健康状態も影響します。以下の点に注意することが重要です：

• 口の中の健康状態：歯周病の有無や、歯肉や骨の状態によって、インプラントの予後が左右されます。
• 骨の健康状態：インプラントは顎の骨に埋め込むため、骨密度や骨量が十分であることが重要です。
• 生活習慣：定期的なメンテナンスや適切なブラッシング習慣が、インプラントの長持ちに直結します。
• 全身疾患の有無：糖尿病や高血圧といった全身疾患は、インプラントの治療結果に影響を及ぼすことがあります。

年齢を重ねると口内環境も変化します。将来的に歯や顎の骨がどのように変化するかを正確に予測することは難しいため、インプラントを選択する時期やタイミングについてはよく考える必要があります。

インプラントは「最終手段」として慎重に検討すべき

インプラントは、失われた歯を補うための優れた治療法ではありますが、できる限り「最終手段」として考えるべきです。インプラント治療を急がず、根管治療を通じて天然歯を少しでも長く残すことで、インプラントの必要性を先延ばしにできる可能性が高まります。

ただし、若い方ほどインプラントの予後が良好になる傾向もあります。若年期には口腔環境が良く、骨も丈夫であるため、インプラントが長持ちしやすいのです。そのため、「高齢になってからインプラントを」と考えても、年齢や口腔環境の変化によっては、インプラント治療が適応できない場合もあります。

まとめ

天然の歯を少しでも長く残すことは、口腔内の健康にとって非常に大切です。根管治療によって自分の歯を維持することで、将来的なインプラント治療を避けられる可能性が高まり、口腔内の健康を保つことができます。インプラントは確かに優れた治療法ですが、安易に選択するのではなく、天然の歯をできる限り活かすことを念頭に置いて治療を進めましょう。

当クリニックでは、患者さん一人ひとりの健康状態や希望に合わせて、最適な治療プランをご提案しています。天然歯の保存についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

少しでも皆さまの参考になれば幸いです。本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。