こんにちは。
歯科医師の大井です。
今回はプラークのお話です。
お口の中の代表的な病気であるムシ歯と歯周病。この2つの病気の原因は、プラーク(歯垢)と呼ばれる歯の表面に付着する細菌の集まりです。
歯の表面では唾液の成分であるペリクルというタンパク質が薄い膜を作っています。そこにムシ歯の原因となるミュータンス菌などがくっつきます。くっついた菌は食べ物の中のショ糖を使ってグリコカリックスというネバネバした物質を作り自分たちが棲みやすい環境を作り始めます。この状態がしばらく続くとミュータンス菌以外にもこの棲みやすい環境をねらって歯周病の原因となる悪玉菌が侵入し増えていきます。
細菌が集まってプラークを形成するには約1日かかるため、食事の後まだプラークにはなっていません。それなら「お口をすすぐだけでもいいのでは?」と思うかもしれませんが、プラークは水に溶けない性質をもっています。
現在、成人の約8割が歯周病を発症しています。
こんなプラークを取り除くための一番簡単な方法は歯磨きです。ちょっと長く感じるかもしれませんが、一日合計10分くらいは歯を磨くようにしましょう。